郡山市の中小企業にDXコンサルタントが必要な理由 その1

DXとは?
デジタルトランスフォーメーションと呼びます。
DTではないのは、英語ではトランスフォーメーションをXとして表現するため、この字が当てられるようです。
よくIT化と混同されがちなDXですが、両者にはゴール設定に大きな違いがあります。
- IT → 業務効率/コスト削減
- DX → ビジネスモデルの転換
税理士業を例にしてみます。
- IT導入により、コスト削減、業務効率UPした → IT化
- 上記により、できた時間をお客様との対話に使う
- 2から、得られた知見を基に新しい収益事業(企業のDXコンサルサービス)を開始 → DX
このように、税理士+DXコンサルタントという新しいビジネスモデルが完成しました。
IT化の結果、新しい事業を創設すること。これがDXの目的であり、それを郡山市の企業を中心に展開していくのが、DXコンサルタントの目的です。
DXは、目的達成の手段にすぎません。
目的とは、自社の発展であり、
手段とは、時間とノウハウの確保を指します。
時間とノウハウを確保するための手段として、DXがあります。
ですから、単なるIT化のことではありません。
例えば、ハンコを電子サインにしたところで、運用側に手間暇が増えてしまっては意味がないのです。
電子サインにすることで、自社や取引先にどんな恩恵があるのか?
押印するという動作を上回るメリットとタイミングはいつなのか?
この国において、長きにわたり培われてきたハンコ文化という常識を打ち壊せるほどの利点は何だろうか?
これを検証したうえで導入しなければ、コストだけかかる無用の長物と化してしまうことも、十二分にあり得ます。
TPOによっては、従来のハンコ押印の方が早く、正確ということもあります。
目の前にハンコを持った取引先がいるのに、わざわざPCを起動させてクラウドサインを説明し、
署名場所と署名方法を説明しながら操作してもらうのであれば、書面の方が圧倒的に便利です。
押印するという動作で済みますので。
ですが、目的は契約の合意と保全であり、IT化などでは決してありません。
どの業務にITが向いていて、どの業務に従来型が優れているのか?
また、組み合わせることで新しいシナジー効果を生み出すことはできないか?
こういった有効性を検証するためには、たゆまにトライアンドエラーが必要不可欠です。
そして、このトライアンドエラーは、大食漢どころか爆食でもあります。
時間と労力を際限なく消費する代物だからです。
この、時間と労力を確保するための画期的手段こそが、DXです。
それを、現在の、福島県、郡山市の企業が置かれた状況から、説明していきます。
郡山市の中小企業にDXコンサルティングが必要な理由

理由は福島県全般の人不足
① 経営者の高齢化
平均年齢 60.7歳
これが、福島県の経営者の平均です。
帝国データバンク郡山支店が発表した、2021年1月時点のデータベースです。
3年連続で平均年齢が60代になりました。
ちなみに、20年前は以下のとおりであり、平均年齢が4歳以上上昇していることが見て取れます。
2020年 福島県 60.7歳
<内訳>
郡山市 59.8歳
福島市 61.1歳
いわき市 60.9歳
会津若松市 61.5歳
2000年 福島県 56.3歳
<内訳>
郡山市 55.4歳
福島市 57.4歳
いわき市 56.4歳
会津若松市 56.3歳
こういったことから、代替わりが進んでおらず、相対的に高齢化が進んでいることが見て取れます。

② 従業員の高齢化
高齢化の波は、経営者だけにとどまりません。
従業員も高齢化が進んでいます。
最近、若い人の求人が集まらないと、よく社長さんたちの話に上ります。
かといえば、「社員ももうすぐ定年なんだ・・・」というような声もよく聞きます。
このことから若返りや後見も進んでいないこともわかります。
そして、世代間のギャップが大きくなるにつれ、
文化や考え方の違いも出てきます。
ベテラン世代は、
- 俺の背中を見て学べ
- 技術は盗むもの
と言う考え方が多かったように思います。
ですが、今の世代は
- 教えてもらって当たり前
- わからないのだからできなくて、当然
- 働いて欲しかったらちゃんと教えてくれなきゃ困る
と言う考え方です。
指導のつもりがパワハラ、モラハラで訴えられ、うっかり飲み会にも誘うことが難しくなりました。
通常であれば中間世代が緩衝材となってくれるのですが、バブル崩壊以降、就職氷河期による不採用により、
30代後半から40代全般の人材層にぽっかりあきが出来てしまいました。
約20年たった今、そのツケを払うことになっています。
働き盛りかつプレイングマネジャーでもある30代~40代不在という現状。
これが大きく企業の体力を蝕んでいくことになります。

③人不足
人が減り続けています。
福島県の生産年齢人口ですが、ここ20年で25%、25万人も減りました。
20年前と比較して、なんと全体の25%も減少したのです。
これを職場で当てはめてみます。
4人の職場だったものが、3人で仕事を回すことになります。
10人の職場なら、7人で仕事を回すことになります。
約20年後は、2000年と比較して5割近く落ち込む予測が出ています。
4人の職場は2人で
10人の職場なら、5人で仕事を回すことになりそうです。
これは、由々しき事態です。
【予測】2040年の福島県の人口 61万人
<内訳>
2000年 106万人
2010年 93万人
2020年 81万人
2040年 61万人
福島県人口ビジョン H27.11
人不足であることは、別のデータからも見て取れます。
新卒者ですが、凄まじい勢いで減っていっています。
高校卒業後の就職者数ですが、
2021年3月は、4000人でした。10年前は、5700人、20年前は8400人です。
20年前と比較すると、半分以下まで落ち込みました。
同業者さんとの間でも、
いくら求人を出してもつかまらない、そもそも業界に若い人がいないなど、思い当たることがあるのではないでしょうか?
若い人は20年で50%以上減少
<内訳>
1998年3月 8,425人
2007年3月 5,766人
2021年3月 4,014人
福島労働局 高等学校卒業者
福島県では労働力が急速に減少している状況が見て取れたと思います。
データで示さなくても、子供たちの様子を見ればそうでは無いでしょうか?
子供たちを見かけることも、稀です。
- クラスの人数は、我々が小学校中学校であったときの人数と同じでしたでしょうか?
- クラスの数はどうでしょうか?
- 全校生徒の数でいえばどうでしょうか?
例外もあるでしょうが、それは学校の統廃合等による部分的な措置に過ぎず、日本全体として若い人が少ないと言う事は揺るぎません。
特に、首都圏とは違い人の流入より流出が多いですから、
ますます高齢化、労働力不足が進行していきます。

④ IT精通者の不在
大手企業ならまだ知らず、IT製作者が中小企業に不在と言うのも大きいです。
さらに、若い人ならITができるということでもありません。
事実、アンケートによると、パソコンに精通していると言われる割合で最も多いのは、30代でした。続いて40代、20代は次に入ります。
タッチタイピング精通者アンケート
タッチタイピングをすることができると答えた割合
30代 29.4% 26.8%
40代 22.6% 25.4%
20代 21.8% 24.1%
50代 14.3% 15.6%
スマートアンサー パソコン利用に関する調査結果 2018
前述で、若い人を雇用すると言うことすら難しいのですから、
若い人の中でさらにパソコンに精通している人を雇用するということが、
いかに狭き門であるということがわかるかと思います。
また、中小企業の構図として、「現場における即戦力が欲しい」という実務上の問題があります。
IT精通者と言うのはどちらかと言うとIT業界でない限り後方支援担当者という位置づけが多いです。
しかも人数としても1名程度と、規模も小さいのが実情かと思います。
そうした場合、企業における発言力や優先順位はどうしても低くならざるを得ません。
ましてや人不足の現在、採用するなら営業や製造の現場の人員が優先されます。
数字の出にくいバックオフィス業務は、どうしても軽視されがちです。
もし社内で雇用したとしても、
上司がそもそもITに精通していないことが多いため、
折角の人材を有効に活用することができないことも多いです。
また、ITに精通していたとしても社内では「パソコンが得意な人」扱いです。
何かにつけてただの便利屋と化してしまい、
上司から見れば何やっているのかわからないので評価のしようがない。
部署の人数も少ないことから、社内での発言力が低いという事は、往々にしてあります。
事実、わたし自身の体験談になるが
仙台国税局3000人の組織の中で
パソコンに精通し多くの資格を持っていましたが、
評価は
- パソコンに詳しい人
- パソコンが壊れたら何とかしてくれる人
と言う印象だけであり、
提案しても
- わけのわからないことを言って伝統を壊そうとする人
- 趣味の延長
としか評価されてなかったことは記憶に新しいです。
導入や定着、目的の達成にはコストと時間、労力を要する。
だからこそ、ポイントを絞って最小の労力で目的を達成するDXコンサルタントの存在が企業にとっての近道になります。

今回は、郡山市の中小企業にDXコンサルティングが必要な理由を人不足という観点からお話してきました。
次回は、別の観点から、郡山市の中小企業にDXコンサルティングが必要な理由をお話していきます。
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福島県、郡山市を中心に中小企業向け、士業向けのDXの導入コンサルタントも行っております。
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